年の始まりにあたり、みなさんも様々な目標や計画を立てたことと思います。大晦日から元旦にかけては、世界中の人々が心新たに新年を迎えようという気持ちになりました。

日本では、お寺で大晦日の夜から元旦にかけて除夜の鐘を撞きます。ちょうど大晦日の日付の変わるころになると、どこからともなく、「ゴーン」という鐘の音が響いてきます。この鐘は全部で108回撞きます。「人間のもっているさまざまな煩悩(ぼんのう:過ぎた欲望などの醜い心)を、一つ一つ払いのける」という意味があります。107回目までを大晦日に撞き、最後の108回目を年が明けてから撞くというのが習わしです。

ところで、この除夜の鐘を聞いたことはありますか?今年の末に聞くときには、「一回一回の鐘が、人間の煩悩を取り除こうという意味があるのだ」と思って聞くと、さらに新年を迎えるに際して、身が引き締まるのではないでしょうか。

さて、煩悩には様々なものがあります。例えば、欲しい欲しいという気持ちで常に落ち着かない状態である貪欲(どんよく)です。『貪(むさぼ)る』ことです。確かに人間にはさまざまな欲がありますが、これをもちすぎると、醜く見えます。もちろん欲がいけないのではなく、欲が過ぎることがいけないのです。そうしたコントロールができるのも、人間ならではのことです。

日本にはまた、初詣という習慣もあります。神社が多いかもしれませんが、寺社に行くこともあります。神社は神様、寺社は仏様を敬い祭っていますから、そうした神様、仏様に年の初めにご挨拶に出掛けるわけです。

みなさんの中には、「何かお願い事をしに行く」と思っている人がいるかもしれませんが、お願いだけではいけません。「今年は、真面目に正しく生きます。嘘をつくこと、自分をごまかすことはしません。このように立派に生きていくことができましたならば、私の願いである○○もきっとかなえてくださることと信じます」というように、自分の決意を込めて、目標なり夢を願うのです。

新年、何よりも先に寺社で、自分の決意を宣言するわけですから、尊いこととされるのです。神様仏様との契約でもありませんし、ギブ・アンド・テイクでもありません。自分が努力するから、かなえられるのです。また、自分の心身を清めるからこそ、そうした願いが届くともいいます。このことは、キリスト教圏の国でも同じです。西洋でも「天は自ら助くるものを助く」という言葉があるそうです。

10月になり、今年度も折り返しを過ぎました。もう一度、今年の正月、そして、4月のスタート時に決意した目標を思い出してみませんか?今こそ、心を整え、身体を清め、自らの決意を真剣に進める時期だとは思いませんか?