あいにくの天候にはなりましたが、中高合同選抜練習会を無事に開催することができました。感染対策を施しながら、今年もこのような合同練習会が実施できたことをうれしく思います。なぜか?他県に比べ競技人口が少ない本県が、競技力を高めるためには互いに刺激しあうことが重要になります。コロナ元年は、様々な活動が中止となり、その結果、昨シーズンは思うような結果を残すことができませんでした。それから少しずつ各種練習会等が動き出し、ようやく浮上の兆しが見え始めているところです。昨年も、今年も、さらに来年に向けてもそうですが、タレント選手はいます。しかし、全体の競技レベル、底上げを考えるとさらなる強化が必要です。5年後にはここ宮崎県で、国民スポーツ大会が開催されます。計画的な、そして、粘り強い強化が必要なのです.
今回の合宿は、各種行事や修学旅行が重なり、1日のみの参加を余儀なくされた選手が多くいました。そこで、本来、宿泊資格のない選手に宿泊参加の依頼をすると、ほとんどの選手から「ありがとうございます」という返事がありました。(顧問の先生を通じて) 大変頼もしく感じました。前専門委員長の村北先生(大宮中)がよく言われていました。「こっちが声かけをしたときに、ポーンと返事が返ってくると気持ちがいいがな~」 専門委員長という同じ立場になり、その気持ちがとてもよく分かります。
ところで、夜のミーティングの中でこんな話をしました。数年前のある選手のことです。以前は九州ブロック合宿が年末に行われていました。その追加補充で村北前専門委員長が当時中学1年の女子選手に声をかけました。目立った記録をもつ選手ではなく、実力的にもまだまだこれからの選手でした。この合宿は各県から20人のトップ選手が熊本へ集結、そんなハイレベルな合宿に、「はい。参加させてください!」と、この選手は即答し参加しました。するとどうでしょう。中学3年の夏、見事200mで標準記録を突破し、それどころか全国3位銅メダルにまで躍進しました。いかにチャンスをものにするか、その大事さを象徴する代表的な例です。気持ちってとても大きいですね。特に中学生にとって・・・。どのタイミングで本気スイッチを入れるかなんですね。
今回の合宿、先述した通り、修学旅行明けの参加になった選手もいました。中には3泊4日の修学旅行明けの選手もいました。しかしです。私が「大丈夫?旅疲れあるやろ?無理しないように」と声をかけるやいなや、「はい。大丈夫です!」と疲労を感じさせることなく意欲的に練習に励む生徒がいました。正直すごいなと感心しました。きっと、その他大勢の同級生はゆっくり休んでいるでしょうからね。また、ある選手に、「USJ疲労があるんじゃない?」と声をかけると「いや、逆に疲労がとれました」と言うのです。「どういうこと?」と聞くと、「楽しすぎて疲労が抜けました」と答え、軽快に走っていくのです。凄いなぁと思うと同時に、こんな選手たちには絶対強くなってほしい!沖縄、愛媛の舞台で活躍してほしい!そんな気持ちが大きくなりました。逆に、初日しか参加できずに、「修学旅行は楽しみだけど、夜のミーティングに参加できないのが残念です・・・」と修学旅行へ旅立つ選手の何とも言えない表情も印象的でした。中学生としての純粋な楽しさに浸りながらも、競技者として強くなりたい!結果を出したい!こんな気持ちがどこかに宿っているんだろうな、そんなことを感じさせてもらった2日間にもなりました。
目の前にいる子どもたちの成長の為に、まずは私たち大人が本気にならないといけない。そんなことを常々思っていますが、このような練習会を終える度に、子どもたちからエネルギーをもらい、幸せな気持ちになります。心の充電ですかね。まだまだコロナ禍は続きそうですが、コロナに対する考え方や向き合い方は3年前とは随分と変わってきています。withコロナ時代到来とも言われており、もう逃げてばかりはいられません。とは言え、当然このような練習会もノーリスクではありません。しっかりと対策を講じ、様々な工夫を凝らしながら歩を進めていきたいものだと改めて思いました。すべては、子どもたちの夢を奪わないように・・・。
今回のまとめになります。長距離ブロックに関しては、昨年初めてこの時期のこのタイミングで選抜練習会を実施しました。その効果もあり、平成26年以来全国への道が閉ざされていた男子長距離種目で複数人が標準記録突破を果たしてくれました。やはりきっかけって大事なんだと思います。みんなライバルではあるのですが、「チーム宮崎」として、お互いの力を高め合いながら、多くの人数で愛媛に乗り込みたいものです。『全ブロックで20人以上の標準記録突破を!!』これくらいの意気込みをもって、次なる12/10選抜練習会に向けて先生方、選手ともに気持ちを高めていってもらえるとありがたいです。【専門委員長 三股中:田原】