秋は、低気圧や移動性高気圧が交互に通り、天気がよく変わります。しかも、雨が降った後に強い風が吹き、快晴になるという順序です。そこで、「秋の天気は降る・吹く・ドン」ということわざがあります。ドンは快晴のことです。

秋は夕焼けが見られると、翌日はたいてい晴れます。天気は西から東へと移るからです。そこで、「秋の夕焼けは、鎌をとげ」といいます。「鎌をとげ」とは、鎌をといで、明日働く準備をしなさい、という意味です。

「秋、早くクマが里に出る年は大雪」といわれます。例年より山の雪が早いと、クマは餌を求めて里へ降りてくるので、そういう年は大雪になるというわけです。

朝夕の涼しさを感じる今日この頃ですが、日本各地での豪雨災害やクマが都市部へ出没するニュースが流れてきます。自然の恐ろしさを目の当たりにしていますが、同時に、私たちは自然とともに生きていることを忘れてはなりません。

昔から伝わることわざや言い伝えには、自然の変化を読み取り、災害を避けたり、明日の暮らしを整えたりするための知恵が込められています。天気の移り変わりを観察し、夕焼けの色に明日の空を想像し、山の気配から冬の訪れを感じる。そうした「自然を読む力」は、便利さが増した今だからこそ大切にしたいものです。

豪雨災害やクマの出没といったニュースは不安を呼びますが、自然の声に耳を澄ませ、備えを怠らず、互いに支え合いながら暮らしていくことが、これからの季節を安全に、そして、豊かに過ごすための鍵になるのかもしれません。