理科の視点から見た陸上競技

今回は、自分が理科の先生ということもあり、「理科から見た陸上競技」というテーマで書いてみたいと思います。

そもそも、理科とはどのような教科なのでしょうか? 皆さんも学校でいろいろな実験や観察を行っていると思います。理科では、自然の中で起こっている現象に対して、「なぜ、このようなことが起こるのだろう」と考え、「多分、こうなのではないか?」と仮説を立てます。そして、その仮説が正しいのかどうかを、実験や観察によって確かめていきます。仮説が正しければ、そこからさらに次の仮説を立てます。逆に、思ったような結果にならなければ、「何が違っていたのか」「どの条件を変えればよいのか」と考え、もう一度確かめます。このように、仮説を立て、それを確かめ、その結果をもとにまた考える。こうした学び方は「探究」とも呼ばれています。

この理科の視点から陸上競技を見てみると、実は共通するところがとても多いと思います。陸上競技は、大きく分けると「走る・跳ぶ・投げる」の3つです。そして、そのすべてで結果が記録として表れます。何秒で走ったのか、何m跳んだのか、何m投げたのか。自分が行ってきた練習の結果が、数字としてはっきり表れるのが陸上競技です。

では、その記録をさらに伸ばしたいと思ったとき、どうするでしょうか? 例えば、「もっと速く走りたい」「もっと遠く、高く跳びたい」「もっと遠くに投げたい」と思ったとします。

その時にまず必要になるのが、自分の動きの分析です。自分の動画を見たり、トップ選手の動きと比べたり、先生やコーチからアドバイスをもらったりしながら、「自分はここができていないのではないか」「この動きが記録の向上を妨げているのではないか」と考えます。

次に、「この動きを改善することができれば、もっと記録が伸びるのではないか」という仮説を立てます。その仮説を確かめるために、日頃の練習の中でその動きを意識したり、その動きを身につけるための練習を取り入れたりします。それを何日、何週間と繰り返し、最初は意識しなければできなかった動きを、少しずつ自然にできるようにしていきます。

最後に、記録会や大会でその結果を確かめます。記録が伸びれば、「この考え方は記録の向上につながったのかもしれない」と考え、さらに自分の動きを分析して次の課題を探します。逆に、記録が伸びなければ、「そもそも動きは十分に身についていたのか」「練習は十分に積めていたのか」「けがや疲労はなかったか」など、さまざまな要因を考え、もう一度仮説を立て直します。そして、次の練習でまた確かめていきます。

こうして考えてみると、理科と陸上競技はとてもよく似ています。理科では、現象を見て仮説を立て、実験や観察によって確かめ、その結果をもとにまた考えます。陸上競技では、自分の動きを分析して仮説を立て、日頃の練習の中でそれを試し、その結果を記録で確かめ、また次の課題を考えます。

つまり、陸上競技では、自分の体を使って何度も「実験」をしていると言えると思います。理科では実験器具などを使って仮説を確かめますが、陸上競技では自分自身の体を使って仮説を確かめていきます。そして、その結果を数字として見ながら、さらによりよい記録を目指していくのです。

理科の視点から陸上競技を捉えてみると、陸上競技の少し違った面白さが見えてくると思います。また、こうした「分析する」「仮説を立てる」「試してみる」「結果からまた考える」という視点は、陸上競技の中だけで身につけていくのはなかなか難しいものです。

では、そのような視点はどこで身につけるのでしょうか??
そうなんです! !日々の理科の授業です!!皆さんは理科の授業を通して、こうした「考え方」も学んでいます。そして、その考え方は、直接的ではなくても陸上競技に取り組む上での基礎になっていると思います。

これを読んでいる皆さんにも、日頃の理科の授業の大切さが少し伝わったと思います。ということで、皆さん、陸上も理科もどちらも頑張ってください!【東郷学園:三浦】

Posted by mzc