自己記録を更新するために
陸上競技をやっている以上、こだわってほしいものがあります。それは「自己記録」です。目標は人によって違います。大会記録、県中学記録、日本中学記録、日本記録、そして世界記録…。レベルが上がれば目指す数字も変わります。でも、すべての選手に共通して挑戦できるものがあります。それが自己記録の更新です。自己記録を更新するということは、過去の自分を超えること。これまでの人生で一番速く、一番遠くに跳び、一番遠くへ投げられる――そんな「生まれて最高の自分」を証明する瞬間です。
では、自己記録を更新するには何が必要でしょうか。優秀なコーチ?恵まれた練習環境?もちろん、それらも大事です。でも、私が一番大切だと思うのは、「自己記録を更新したいという強い想い」ではないかと思います。
私は中学から陸上(100m、走幅跳)を続けてきましたが、大学を卒業してから、大学院生として陸上をしていた6年間、自己ベストを更新できませんでした。しかし昨年、7年ぶりに自己ベストを更新でき、今年の県選手権でも自己記録を更新することができました。(走幅跳が3本ともファールで記録なしという結果は…まあ置いておきます。)
これまでと比べて何が変わったんだろう?と振り返ってみると、一番は「自己記録更新への想い」が変わっていました。中学校の教員として働くようになり、自分の学校の陸上部の生徒や関わりのある保護者の方々、宮崎陸上の多くの先生方、大会で顔を合わせる選手や関係者…関わる人が増えました。頑張っている人、目標に向かって努力を続ける人の姿は、周りにエネルギーを与えます。そんな私も、頑張っている皆さんからエネルギーをもらった一人です。その中で、「みんなに負けないように自分も頑張りたい」、「この人たちにカッコいい姿を見せたい」という、「自分のためだけでなく、他の人のため」の想いも芽生えました。
仲間、先生、コーチ、親。陸上を続けられているのは、多くの人の支えがあってこそ。だからこそ、「自己記録の更新を通して、その人達に恩返し」をする。その想いがあると、不思議と練習にも身が入ります。技術や体力を高めるために先生に質問したり、自分で色々と調べてみたり、自分から行動できるようになります。そうやって努力を積み重ねた結果、自己記録の更新につながります。
ただ走る・跳ぶ・投げるのではなく、「誰にこの記録を見せたいか」。自己記録の更新を通して、支えてくれる人たちへ感謝・恩返しの気持ちを表しましょう。【高千穂中:三浦】