大切なことは・・・

先日行われた中高合同選抜練習会で、跳躍ブロックには坂部先生が指導に来てくださいました。坂部先生は、長らく大阪の摂津高校という跳躍の名門校を率いてこられ、現在は宮崎スポーツ協会で、滋賀国スポでも4位入賞した田中隆太郎選手の指導もされた先生です。その練習会で坂部先生は、「練習そのもの」よりもまずは、普段の生活、普段の考え方・意識から変えなさい、と話してくださいました。
皆さんに話してくださった言葉を、ここに残します。読んでいる皆さんが、自分のこととして受け止めてくれたらうれしいです。
① ベクトルを自分に向けること
「君らはな、1年で1センチ伸びるかどうかの競技を選んどるんやで。ラッキーなんかない。勝てへんかったとき、人とか環境のせいにしてへんか?風がどうとか、砂場がどうとか、コーチがどうとか。そうやって人のせいにしてる限り、強くなんかならへん。ベクトルを、自分に向けなさい。弱い人ほど、人と環境のせいにするんや。『あいつが悪い』『今日はたまたま調子悪い』。ちゃうねん。自分の準備、自分の心構えに問題があるんやって、一回ちゃんと自分に矢印向けてみ。」
② 陸上以外の生活からつくっていくこと
「『勉強できません』って言う子ほど、スマホは触れんねん。提出物、期限までに出してるか?宿題ちゃんとやってるか?授業中、ちゃんと前向いて話聞いてるか?お弁当作ってくれたお父ちゃんお母ちゃんに、『ありがとう』ってちゃんと言えてるか?陸上の練習だけちゃんとしてたら記録伸びる、そんな甘い世界ちゃうで。むしろ、普段の生活のほうが大切や。準備を大事にせぇへん人は、自分の体も大事にせぇへん。スパイクのひもも適当、アップも適当、寝る時間も適当。それで『今日は調子悪いです』って、そら当たり前やろって話や。」
③ 意識レベルを“地区”から“全国”へ上げること
「宮崎のジャンパー、このままの意識やと他県には勝てへんよ。君らが『頑張ってる』と思ってるその時間に、
九州の他の県、全国のライバルは、もっと高い意識で練習してる。今の君らの意識は、まだ“地区レベル”なんよ。『自分なりには頑張ってます』って言葉な、それ、めちゃくちゃ危ない言葉やで。自分で勝手にハードル決めて、そこで満足してしまう言い訳になっとることが多いんや。」
④ 強くなりたいなら、人の話をちゃんと聞くこと
「本当に自分が強くなりたいって気持ち、まだ持ちきれてへん子が多いねん。きつい言い方するけどな、強くなりたい奴はな、まず人の話を“ちゃんと”聞くねん。聞いて、考えて、行動にうつす。それができへんうちは、いつまでたっても弱いままや。今もそうや。話してるのに、ほかのブロックの練習ばっかり見てる子、おるやろ。そういう子に言うわ。 負けて、思いっきりへこんだらええよ。でもな、こういう話もロクに聞かへんやつは、そのまま一生、へこんだ人生送ったらええねん。せやけど、『このままじゃあかん』『ほんまに変わりたい』って心の底から思ってる子はちゃうねん。ちゃんと目を見て話を聞いて、メモ取って、明日から、いや今日からの行動を変えようとする。そういう子から順番に、強くなっていくんや。意識を変えな、心を変えな、九州も全国も見えてこうへんよ。練習量増やす前に、まず意識の質を変えなあかん。全部、自分にベクトルを向けて考えなさい。」
そばでこの言葉を聞いていた自分も、何度もドキッとしました。皆さんはいかがでしょうか。自分に当てはまること、ドキッとすることはありませんでしたか?
意識を変える――そのためには、これまでと同じような行動をしていても変わりません。何かを変えるには、これまでと違う行動をしてみること。
ただし、それにはものすごくエネルギーを使います。それでも、強くなる人は、そのエネルギーをかけてでも変わろうとする人です。強くなるために、あの日の言葉を、皆さんも一緒に生かしていきましょう。【高千穂中:三浦】