自分は、普段考えたことや感じたことを書き残すようにしています。その一つを紹介します。

『年をとり今は人並みでしか走れない。現役時代の話をすれば、自慢話となり、聞いている人からすれば耳障りなだけである。そして、その陸上競技から得たものは、それは実績なんかではない。仕事をしていて苦しい時がある。ただ、私はそのようなものに負けない自信がある。理由は、現役時代の練習の方が1000倍キツかったからだ。私は、社会人になり冬季練習に入ると、毎週木曜日の練習を地元の坂を走るようにしていた。これは、キツかった。冬季に入ると、毎週木曜日の朝、目が覚めると嫌な気分になっていた。「あの坂を走らなければならない・・・」これは230mの坂を下って上る練習であったが、自分でタイムを設定し毎回20本走っていた。練習もキツかったが、何より孤独がキツかった。練習パートナーがいる時もあったが、一人でこの練習をしている時は、「自分は何をしているのだろうか。」「限界とは何なのか。」など、自問自答をしながら練習をこなしていた。いつも20時ぐらいから練習を始め、練習が終わる頃には22時を過ぎることもあった。今思い出しても、つらい。ある時、こんなこともあった。自分は決めたことを必ずやらないと気が済まない性分なので、冬の雨が振る日にその練習をやっていた。今考えれば異常な行動である。その時に練習する私を見た家族が見ているこっちが辛いからやめてと止められたこともあった。

しかし、あの辛かった練習を乗り越えた自分だからこそ、仕事でいくら辛くても乗り越えられる気がする。そう、まさに陸上競技を通して得たものは、この「忍耐力」である。何度も言うが、今走ればただのおじさんである。ただ、陸上競技を通して培った心には、今でも少し自信がある。』

陸上競技を通して学ぶことは、技術だけではないと思います。【大宮中:日高】