教え子シリーズ③~その1~

私の陸上競技指導で、この生徒は外せない1人です。大宮中時代の村上香菜子さんを紹介します。彼女は小学校の頃はバレーボールに打ち込んでいました。しかし、中学校では陸上競技を始めたい…、陸上競技部に入りたいとか…。

確かに、部活動見学にも毎日やってくるし、今すぐにでも練習に参加したい様子。なぜ陸上を?のちに分かることなのですが、とにかく厳しい環境に身を置いて自分自身を鍛えたかったとか…。もう15年以上も前の話です。確かに私も今よりも何倍も厳しく指導している時ではありました…。

実は、彼女は小学校時代、いわゆる優等生でありませんでした。う~ん、、、ぶっちゃけ意地悪な面もあったそうです。私もちょっと構えて預かった記憶がありますが、陸上競技を通してみるみるうちに人間が変わっていきましたね。気づけば、学校、学年のリーダークラスに成長していました。

その人間的成長とともに、競技成績が劇的に伸びていったことは言うまでもありません。短距離志望で入ってきましたが、中1の夏は、地区大会で大宮中の100mの選手として出場することすらできませんでした。学年で3、4番手でしたか…。

5月に行われた県中学ジュニアでは一応3人枠に滑り込み出場。15秒36を要し組2着、当然予選落ちです。6月の通信陸上では、14秒45までタイムを縮め組1着でフィニッシュするところまでいきますが予選落ちです。

そんな彼女でしたが、練習に取り組む姿勢、集中力、モチベーションの高さ、そしてハードルドリルを行う中での技術の向上を確認しながら…。とある練習の時に、私はいつもの直感で「8月末のJO予選では、県NO.1になるな」と彼女に伝えました。

そしたらです…、本当にそれが実現することとなりました。さらに、チーム内4番手で入学時から競っていた選手も2位に入り、ワン・ツーということになりました。いくんじゃないかとう予感はあったものの、それが実現してからの彼女は強かったですね。

とは言っても、中1のシーズンベストは確か13秒28。当時は、11月に県記録会が行われていましたが、肌寒い中に走った記録だと記憶しています。初レース15秒36からの13秒28ですので立派に伸びてはいます。しかし、中1終わりで、13秒28がスペシャルに速いかと言われるとそうでもないことはみなさん分かるかと思います。

宣言されたことがその通りになるのは選手にとってとても大きな自信と励みになるようですね。長らく指導を行ってきてそんな感じです。良い意味でだまされていくというか…。中2で全中を目指すぞ!そんな話をしながら冬期練習に入っていきました。続く…。【三股中:田原】

Posted by mzc