連日、日本のメダル獲得に沸くパリオリンピックも終わりに近づいています。私は、前回の2020東京オリンピック、パラリンピックに、陸上競技の競技役員として参加しました。前回は、コロナ禍中で1年間の延期(開催は2021年)、無観客、マスク完全着用、毎日のPCR検査実施など、制限だらけのオリンピック・パラリンピックでした。世界中から集まったアスリート、各チーム関係者、メディアクルー、日本の組織委員会、私たち大会の競技役員など、国境を越えた交流がたくさんできるはずだったのですが、行動の規制が厳しくそれもほぼ行うことができませんでした。

私は、「出発係」として、主にスタート地点で世界のアスリートと関わりました。男子100m決勝では、私の目の前にあるスタートラインに、世界のトップ8が並びました。世界一を決めるレースに臨む選手の、表情や張り詰めた空気感を、私は間近で見たり、感じたりすることができました。競技に出場している選手には、応援してくれる家族のため、チームスタッフのため、国のため、その他、様々な想いがあります。メダリストになれば、国から報奨金や住居などが与えられ、人生が一変する選手もいると聞きます。人生を競技にかけてきた選手たちの姿は、本当にたくましく、気迫が違います。中学生の皆さんも、陸上競技の大会に出るときには、何らかの想いをもって出場しているはずです。その想いを抱くきっかけ、想いを現実にするための努力など、見えないところに、人それぞれの素晴らしいドラマがあります。

夏休みも後半に入ります。自主練習期間もあると思いますが、これからの大会などでそれぞれの想いを見える形にできるよう、また、応援してくれる人に「よかったね」「すごいね」「おめでとう」と言ってもらえるように、いつも想いを抱いて頑張ってください。【姫城中:安在】