我が学級の後方掲示板に、国語の授業で作成した、一人一人の「今、身に付けたい◯◯カ」が掲示されています。「コミュニケーションカ」、「判断力」、「集中力」、そして、「財力」。いろいろな力をみんなは求めているんだなあ〜と感じながら、ふと考えました。「受験生にとって、最も必要な力は何だろう」と。言わずもがな、「学力」です。加えるならば、「継続力」「集中カ」「忍耐力」といったところでしょうか。これらはもう、必須です。

では、受験生にとって「意外と」必要な力とは何だろう。僕は、それは「トークカ」だと思っています。なぜ必要か?私立入試、県立推薦入試、県立一般入試。全ての入試科目に「面接」があります。知らない大人との面接はとても緊張をします。それはもう、相当なものです。しかし、その中でしっかりと自分の心を伝えなければなりません。

個人的な話になりますが、私も、2年前の教員採用試験当日、何を問かれるのか、不安で仕方ありませんでした。「この日を境に人生が変わる・・・」という当時の私の心境は、きっとこれから受験を迎えるみなさんと同じだと思います。そして、来たる受験日、20個にも及ぶ質問を受けました。当然、高校入試のときと同じように、ある程度の質間を予想し、対策はしました。その際、それぞれの質問に対する答えをキーワード3つほどで決めました。文章を覚えるのは苦手なので。例えば、「なぜ、教員を目指したのですか?」という質問に対して「中学時代の恩師」「情熱」「宮崎の子どもたち」というキーワードです。あまり文章をガチガチに決めて面接に臨むと、ただの暗唱発表会になってしまい、心が伝わりにくくなる可能性があります。自分の中に大きな柱さえあれば、意思は伝えられるものです。当時の私は、緊張を和らげるために、とにかく「これは面接官とのおはなしタイムだ」と思い込み、普段誰かと話をしているように臨みました。和んだ雰囲気の中で、最後までやりきることができ、本当にほっとしたのを覚えています。大きな3つの柱を頭の中でうまくつなぎ合わせて、言葉にできたからこそ、相手に意思が伝わったのではないかと思うし、逆に、そこを繋ぐトーク力がなければ、厳しかっただろうなと思っています。

取り留めがなくなりましたが、結局私が伝えたいことは・・・。やはり、相手が面接官であれ、仲間であれ、家族であれ、自分の気持ちや意思を伝えることは大切なのです。それらを、相手の心にストレートに伝えるための「トーク力」を身に付ける必要があるのです。【三股中:今村】