「ファーストペンギン」という言葉を聞いたことはありますか?これは、南極に住むペンギンたちの行動から生まれた言葉です。ペンギンたちはエサをとるために海に飛び込まなければなりませんが、海の中にはアザラシやシャチといった天敵がいるかもしれません。だから、みんな怖くて海の前でじっとしてしまうのです。
でも、その中の1羽が勇気を出して海に飛び込むと、他のペンギンたちも「大丈夫そうだ!」と後に続きます。
最初に飛び込んだ1羽、それが「ファーストペンギン」です。では、なぜファーストペンギンがすごいのでしょうか。
一番に動くということは、いつも簡単なことではありません。「失敗したらどうしよう」「笑われたら嫌だな」「誰かが先にやればいいのに」と思ってしまうのが普通です。でも、何かに挑戦するとき、誰かが最初に動かないと、何も始まりません。そして、ファーストペンギンがいたからこそ、他の仲間も一歩を踏み出せます。
自分がファーストペンギンになる場面を想像してください。
例えば、クラスで手を挙げるとき。誰も答えたくなさそうなときに、自分から答えるのは勇気がいることです。でも、その勇気がクラスの雰囲気を変えることがあります。
陸上の練習でも、「みんなでこんなことやってみよう」と最初に言い出したり、タイムが伸びなくても「もう1本、走ります」と言ったりする人は、まさにファーストペンギンです。それを見た仲間も、「自分もやってみようかな」と思えるのです。
ファーストペンギンになることは、いきなり大きなことをしろという意味ではありません。大事なのは、「誰かがやるのを待つ」のではなく、「自分がやってみようかな」と一歩を踏み出す気持ちです。勇気は、完璧な自信から生まれるのではなく、「やってみる」という小さな一歩から始まります。その一歩が、周りの人を動かし、チームやクラス全体の力を変えていくのです。あなたが踏み出すその一歩は、きっと誰かの希望になります。「誰かがやるだろう」と思う前に、「自分がやってみよう」と思える人になってみませんか?
ファーストペンギンになる勇気。それは、自分のためであり、みんなのためでもある、大切な力です。中学生のみなさん、今日からちょっとだけ勇気を出してみましょう。その一歩が、あなた自身を変え、周りの空気も明るくする力になります。
早速ですが、私の学校からファーストペンギンになりたいと勇気を出してくれた人がいます。久峰中学校陸上部キャプテンです。明日の「風の色」はこのキャプテンに記事(学校紹介)を書いてもらおうと思います。お楽しみに!!【久峰中:佐藤】